ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


―――――玄関脇のキッチン
そこから洩れる
朝の光で目覚めた時


腕の中に結可子がいた事に
思わず
安堵の溜め息


酔っ払って泥酔した
夢の中での出来事だと
ホントは
疑っていたから


夢じゃなかった………




―――――こうして
俺たちは二人で
朝を迎えたが

いつもと変わらない一日を
過ごしていた


互いに譲らない言い争いして
ケンカして
無口になって

仲直りして―――――


そこに


自然な流れで
どちらともなく

互いの指を絡め
手を繋ぎ
見つめ合う


毎日のように顔を合わせているのに
互いの顔なんて
よく見た事なんかないから
まじまじと見ては
思わず吹き出す


一呼吸してから


まるで初めてのような
唇を合わせるだけの
ぎこちない
キスを交わした


俺も結可子も
どこと無く
唇が震えてた


その後は……………




皆さんのご想像に
お任せする事に




…………しゃあないだろ?

いくら過去の事だからって
ここまででいいだろ?

俺、恥ずかしいっちゃ………




ま、そんな感じで

俺たちは
恋人同士になったが
友達同士だった頃と
変わらない付き合いが
始まった―――――




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