ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
“コンセンサスゲーム”は8人で1グループ、計10班に分かれてのグループディスカッション。
テーマを与えられ、それに対して班内で話し合い、その結果を最後にプレゼンテーションする。
担当教官から名前を呼ばれ、10班を割り当てる。
―――――何だよ、おい。
皮肉にも、俺と結可子は同じ班。
やりづれぇよ………。
結可子の隣が空いていたが、一緒の班ってだけでヘンな汗かいてるってのに、隣なんて座れねぇ。
だから、結可子とは隣り合わない端の方座ってみた。
これから約半年―――――
俺、冷静でいられるのか?
半年一緒にいて、さすがに知らないフリして過ごせるワケないしな。
診断士への一歩を踏み出した初日から、違う意味で緊張を味わうなんて………。
「………まさん?」
「……………水嶋さん?」
ポンポンっと、肩を叩かれ、我に返る。
「ふぁい?!」
やべえ………。
突然肩を叩かれたもんだから、声が裏返っちまった。
「ミズシマさん…でしたっけ?名刺交換………」
俺の左隣に座っていた40代ぐらいの同期生から声をかけられた。
まずは班メンバー同士で名刺交換………らしい。
周りを見渡すと、同期生が俺を見てクスクスと笑ってるし。
あ、アイツは?
結可子は?
視界を結可子に向けると―――――
ドクン―――――!
心臓がまた跳ねる。
一気に、身体中に高圧電流が走った。
あいつ………。
満面の笑みで笑いやがって………。
大学ン時と全然変わってねぇの。
心臓に悪すぎ。
赤っ恥かいちったよ………。