ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
―――――あ、いた………。
紅一点ということもあり、結可子の周りを10人くらいの仲間が囲んでいた。
彼女は顔もそこそこだし、スタイルもまぁいい方だし………。
テニスで鍛えた身体なのに、どこか華奢に見えるのは、顔立ちのせいかも。
ましてや、同期生の中で女性は結可子だけだからな………。
男達が気になるのも無理はない………か。
「ねぇ加東さんは、独身?彼氏いる?」
「好きなタイプの男性とかどうよ?」
「二期生の中に、タイプの男…いた?」
次々と仕事に関係のない質問の嵐。
あんな事訊かれて、あいつ、困ってんじゃないか?
仲間とだべりながら、俺は離れたところでその様子を眺めていた。
「あ~あたし、34にもなって独身なの。あ、でもね、バツイチなんだ………子供はいないけど………」
―――――!!
………結可子、やっぱ離婚したのか………。
胸の奥がノイズがかかっているみたいに、ざわつく。
何だろ?
この胸騒ぎは………。