ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
しかし、そんな俺の思いを他所に、仲間達は。
「水嶋ー!!豚足、酢味噌つけてちゃんと食っちょるか~?」
「ほら、うみゃーぞ!!どんどんいけー」
「すいませーん!!泡盛ボトルでもう3本!!水嶋も飲めよぉ~」
………否応無しに勧めてくる。
俺…沖縄料理、ちょっと苦手………。
不味くはないんだけど………。
見た目とかが………俺には合わない。
だいいち、ミミガーなんて、豚の耳の皮だろ?
豚足だって豚の足だろ?
見映え悪りぃし………。
豚の足を食べるっつー概念が俺の中には無いから食えねぇよ………。
いつもの俺なら“うっせー!!食えっか!!”って、突っぱねるところだが、さすがにこれから共に過ごす仲間たちとの最初の日だからな…。
俺、仲間に遠慮してる?
らしくない?
“ほらっ”…と、仲間の一人から豚足が手渡される。
うげっ………最悪。
そう思いつつ、意を決して、酢味噌を付けて豚足を一気にかぶりついた。
「うっ!!」
不味い………。
やべぇ…戻してぇ………。
あ~あ、少しにしとけば良かったのに………。
「あれ?水嶋、大丈夫げー?」
「ひょ、ひょっほ、ほいれぃ…(※訳「ちょ、ちょっとトイレに…」)」
―――――俺は、人だかりを掻き分け、トイレへ急いだ。