ページェント・イブ ～エリー My Love～【長編】

「―――――シンも毎日勉強、忙しそうだよね………。実習とかゼミの他に、定期的に試験があるんでしょ？なんか、気が抜けないよね………」


「そうだな………気が重くなる」


「ああっ、そんな項垂れないでよ。その反動で授業終わってからみんなハジけちゃうんでしょ？」


「そ。じゃないと勉強なんてやってらんねぇよ」


クスクス笑いながらエリが、残り僅かなブラッドオレンジのカクテルを飲み干す。


エリがふうっ………と浅い溜息を吐（つ）く。




―――――ドクン!!


頬杖ついて俺を上目遣いで見るその瞳に、素早く心臓が反応した。
強く跳ね上がる鼓動。


エリの表情が、一瞬。
―――――結可子に、見えた。


何でだよ。
なんでそう見えるんだよ。

結可子に未練なんて全然ねぇのに。


全然……………。