ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
#06 ごめんよ僕が馬鹿だった
―――これでよかったんだろうか?
今更だけど。
結可子にあんな事して。
ほのかに残る、キスの余韻。
俺は………
「…ン?………シン?ねぇ、聞いてる?」
「………あ………ゴメン」
「今日会ってから、ずっと上の空だよ………昨夜ちゃんと寝てないんでしょ?」
「ああ………」
「………アタシ帰ろうか?心配でシンの家に来ちゃったケド………疲れてるみたいだし」
「…いや、そばにいてくれ…エリ………」
―――――午後3時。
メールや電話のない俺に痺れを切らしたのか、心配したのか。
エリがいつの間にか、水嶋の家に来ていた。
俺は、結可子を乗せた新幹線を見送った後の記憶が、ない。