ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「………でも…朝まで友達といて、全然寝てないんでしょ?」
「あ………ああ。でも、結構寝たから………」
今の状況がよく理解できず、半分寝ぼけてる俺。
「………昨夜、シンと別れてから全然連絡なかったから………アタシ、心配になって…電話もメールもせずココに来たら、おばあさまが『真一なら、死んだように寝てる』って」
その後エリから
“寝息すら聞こえないから、シンの口元に手をかざして、息があるか確認しちゃった”
と聞かされた。
………確かに夢も見なかった。
起こされなかったら、丸1日寝てたろうな。
丸1日で済めばいいが………。
「ゴメンな………連絡出来なくて」
「………ん」
エリがゆっくり頷いた。
「友達、大丈夫だったの?」
「あ~ああ……だ、大丈夫…大丈夫だったよ………」
「よかったあ………」
エリのホッとした笑顔と、安堵の溜め息。その表情に、俺の胸がドクッと跳ねる。
全くの別人と知りながら、結可子とエリがダブって見えるのは何故だ。