ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「シン………明日東京に戻るんでしょ?」
ワークチェアに腰掛けながら、エリは不安げな顔で訊いてきた。
「ああ……試験近いから、明日昼頃の新幹線で行くわ」
ベッドに横たわってた俺は、ダルい身体を起こし、ベッドに足を投げ出すように腰掛けた。
すぐ隣には、先に腰掛けていたエリがいる。
「あのね………」
一度俺の顔を見た後、すぐ視線を逸らし俯くエリ。
「ん?どした?」
「ん………」」
「何だよ……勿体ぶってないで言えよ」
言いづらいことなんだろうなあ…と思いつつ、ついつい、
「もじもじしてねぇで言ってみろよ。もじもじされるの俺、嫌なんだからよぉ」
意地悪く言ってしまう俺。
「んもぉ……解ってる…ケド…」
「言わねぇと、ベッド押し倒すぞ」
俺がそう言ってエリの両肩に手を掛けると、いきなりエリが立ち上がった。
「あのね………お店の研修で……来月モンゴルに行くことになったの………」
「………はあ?」
思わずデカい声―――――
も、モンゴル?