ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
彼に一度、聴いたことがある。
「アタシのウチは、至って平凡だよ。水嶋サンの家とは、住む世界が違うっていうか……考え方とか、生活面でも違うだろうし……」
そう訊くと、彼は笑って、
「俺は、家柄とかそーいうの、気にしてないから」
と。
「平凡とか、非凡とか。大好きな人と、一緒に過ごせるならば、それだけでいい。親とかじいさんばあさんと仲良くしてくれるならば、それに越したことないけど………無理して合わせようとか、考えなくていいよ」
そう言ってくれた。
いずれ“結婚”ってなったら………。
でもまだアタシは19。
美容師の資格だってこれからだし。
もっと自分を磨きたい。
彼と出会ってまだ半月。
まずは、今。
水嶋サンとの恋を、大切にしたい………………。