Riot on the gene
A ominous of dream



「うわああああああっ!」
俺は自分の叫び声で目を覚ました。

時計は午前4時。
まだ6月を迎えたばかりの明け方にしては異常な程に汗をかいている。

なんだったんだ?あの夢は?闇の中で溺れるという奇妙な夢…しかも絶叫しながら目覚めるなんて。


だけど、起床時間の7時までは3時間もある。
俺は、ベッドに潜り込み再び眠ろうとした。

「だーっ!気持ち悪ぃ」

汗まみれのシーツが不快でたまらず、結局俺は起きることにした。



シャワーを浴びようと静かに階段を降りる。
玄関に親父の靴が見当たらない。どうやら、昨日も帰ってこれなかったようだ。
大学で遺伝子工学の研究をしている親父は、最近論文のための実験が忙しいらしくなかなか家に帰ってこれない。そのかわり、お袋が弁当や着替えを毎日大学まで届けに行っている。
もともとお袋も、俺を産むまでは親父と同じ研究室で働いていたので、大変さがわかるらしく献身的に親父を支えている。

一度お袋に、大学にもどりたくないのか聞いてみたことがある。
そしたら、お袋は

「研究よりも素敵な生き甲斐をみつけてしまったからね」

と俺をみてはにかんだ。
それを聞いて妙に恥ずかしくなったのを覚えている。
そんな2人のもとで育った俺はもうじき17歳になる。
俺、 加藤真(まこと)。高校2年生。
自分の将来と直面出来ずにもがいてる。
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop