Riot on the gene
「そうそう、俺たち愛し合ってるからさ!」

「祐作〜。そんな事平気で言うから、俺らがデキてるって噂になるんだぞ!」

「あれ?そうじゃないの?」

木下はクスクス笑いながら俺らのノリにのってくる。
「でもコイツさ、彼女いるんだぜ!」

「知ってる知ってる!S女のお嬢様なんだよね」

祐作は俺に「愛してる」とか軽々しく愛の告白してくるクセにちゃっかり彼女がいるんだ。

「何で知ってるんだよ!?木のっち!」

「それは、S女に通ってる友達がいるからです」

「俺なんかの事よりさ、木のっちは彼氏いないの?」
チラッと祐作がニヤっとしながら俺をみた。何でコイツは俺のメンタルを読み取るんだ。
聞くに聞けないこのクエスチョン。
俺は、この気持ちを誰にも話した事はないのに。

「それは内緒です」

彼女にとっては冗談の延長なのだろう。困った素振りもみせないで、茶目っ気を含みながら答えた。

…内緒って…余計気になる!

「なんだよ〜それ!」

本当だよ。

「そーいや、加藤君はいないの?誰かさんと違って誠実そうだから、モテそう。背高いし、運動できるし、勉強できるし」

俺の気持ちを知らずか、さっきと変わらないノリのまま聞いてくる。

「いないいない!コイツ、彼女いない歴と年齢が同じだからっ!」

俺がどう答えようかどぎまぎしてたら、祐作が手を横に振りながら代弁した。

「えー!意外!!すんごい大人しくて美人な彼女とかいそうなのに」

木下の中の俺のイメージはどんなんなんだ?大人しいよりは元気なほうが好きだ。それこそ木下みたいな…。

「まこちゃん、かなりシャイだから元気な方が好きなんだよ。木のっち、なんとかしてやってよ〜」

「私〜?わ…」

木下の言葉を遮るように始業のチャイムが鳴った。

何をいいかけたんだよ。

俺、すんごいドキドキしてる。
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