学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
その棚はぎっしりと本が詰まっていて、今あたしが手にしている本を戻す隙間がなかった。
だけどすぐに気づいた。
「あー。もう、これ間違ってるじゃん!」
本来、慣用句辞典が置かれていたはずの位置には、なぜか童話が3冊ささっていた。
「もう、誰だよー?
こんなとこに、童話置いたの」
童話の背表紙に指をひっかけて、抜こうとしてみる。
だけど、ビクともしない。
ぎゅうぎゅうに本が詰まっていたため、簡単には動いてくれないのだ。
「もー。なんでこんな無理やり詰め込むかなー」
ブツブツ文句を言いながら、力任せにひっぱる。
ようやく童話が傾いて、抜けそうになった瞬間……
「あっ!」