学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
キスはいちご味
「……新聞? 深町が?」
「ああ」
「新聞に載るようなこと、何かしたの?」
あたしが顔を覗き込んでそう言うと、彼はハハっと笑った。
「“お手柄中学生”だってさ」と、また他人事のように言う。
「2年前の……ちょうど今頃かな。
西町(ニシマチ)でさ。
あ、西町ってオレの地元なんだけど……」
「うん」
西町といえば、ここからはかなり遠い。
そのあたりの中学からうちの高校を受験するのって、結構珍しい気がする。
ぼんやりとそんなことを考えていたら、深町京悟が話を続ける。
「そこでさ。
ひき逃げ事故があったんだ」
「えっ……」