学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
ドアに手をかけた深町京悟が、何かを思い出したかのように「あ」と声をあげた。
何か優しい言葉をかけてくれるんじゃないか……なんて、バカな期待をしてしまう。
彼は振り返りもせずにこう言った。
「文化祭さぁ、明日もう一日残ってるし。
お互い、今日の分も楽しもうな」
淡々とした口調でそう言うと、
じゃな……と、ドアを開け、出て行ってしまった。
あたしは床に座りこんだまま、その背中を見送ることしかできなかった。