学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
「瞬ちゃん……」
子どもの頃から変わらない
瞬ちゃんがあたしの話を聞くときの体勢。
同じ目線になってくれるんだ。
「何かオレに聞いてほしいことある?」
優しい声が耳に心地いい。
まるで魔法使いみたい。
瞬ちゃんの声を聞くと、張り詰めていたものが途端に緩む。
喉の奥がキュっと狭くなる。
なぜか泣きそうになりながらあたしは胸の中にある思いを少しずつ吐き出す。
「……何もできなかったの」