学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
「『嫌い嫌い』って文句言いながら、桃はいつも深町の話をしてたよ」
「そんな……」
たしかにそうだった。
あたしはよく深町京悟のことを、瞬ちゃんに愚痴ったりしていた。
「オレからすれば、嫌いとかいいながら、深町の行動が気になってしょうがない……っていう風に見えてたよ」
「でも……。
もしもよ?
もしもそうだとしても……」
手に力を入れて、ギュッとマグカップを握る。
もう自分の気持ちに気づきかけているのに……。
あたしにはまだ認めたくない部分があった。
「たった1日だよ?
たった1日で、気持ちが動いちゃうことってあるのかな?」