学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
「さあ。それはオレにもわからないな。
それは桃が考えるべきことだよ」
今度は突き放したようにそう言う。
いつもそう。
瞬ちゃんは、あたしが迷った時、話を聞いてはくれるけど、答えは教えてくれない。
自分で見つけろっていうスタンスなんだ。
「っていうか、桃だって、本当はもうわかってんだろ?」
わかってる。
あたしだってもう気づいてる。
自分のこの気持ちに。
だけどまだ認めたくなくて、ぎゅっと唇を噛んで首を横に振った。
「強情だなぁ……。誰に似たんだか」と瞬ちゃんは呆れ顔。
そして窓の方に近づいて、外を眺めながら言う。
「なぁ、桃?」
「何?」
「そういえば……結局、鍵はどこにあった?」