学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
急に話しが変わったことに、あたしは一瞬キョトンとする。
鍵……って。
ああ、手錠の鍵のことか。
あたしは胸ポケットを指差す。
「ココだよ。胸の中。
もー信じられないでしょ?
実は鍵はずっとあたしがもってたの」
「ふーん。
なるほどね」
瞬ちゃんは振り返ると、ひとりで納得したような顔をしている。
「まぁ、たいてい……
物事を複雑にするのは……いっつもココなんだよな」
そう言って、自分の胸に手をあてる。
「ほんと、人間ってやっかいだよな。
こんな複雑な感情なんかなければ、もっとなんでも簡単に解決するんじゃないかって、オレはいつもそう思うよ」
「……うん。そうだね」とあたしはうなずく。
まさに自分のことを言われてるような気がした。