学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)


床に座り込み、がっくりとうなだれた男子生徒。


その手首は窓の手すりに手錠でつながれていた。



「ちょ……何やってんの?」



一瞬、力を緩めた深町京悟の体を押しのけて、あたしは彼の方に近づく。



全く見覚えのない男の子。




胸についた校章の色から1年生だということはわかるけど……。



ひょっとして、さっき見せてもらった写メにうつってた子なのかな?



深町が探してたっていう……。



「なんで手錠かけられてんの?」



声をかけると、彼は助けを求めるような目をして顔を上げた。



その左頬が少し赤くなってる。



「ねぇ、ここ、どうしたの?」



あたしは自分の頬を指差しながら、彼に尋ねる。



すると彼は空いている方の手で頬を触りながら、深町京悟にうらめしそうな目を向ける。




「深町さん、ひどいっすよ。正直に言えば許すっつうから、話したのに。いきなり殴るんですから」



「えっ? 深町が殴ったの?」


< 377 / 405 >

この作品をシェア

pagetop