学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
たしかに、彼はあの時そう言ってた。
だけどあんなの、その場しのぎで言ってるだけだと思ってたから……まさか本当に探してくれるなんて思ってもいなかった。
「あの時……人ごみの中をかきわけて、走って逃げていくヤツがいたんだ。
ひょっとしてアイツかな……ぐらいにめぼしはつけてた。
さらに後から見たアユミの写メにコイツが写ってて確信したんだ。
今思えば、鍵を入れる隙を狙って、オレらの近くをうろついてたんだろ」
「その通りです……」
シュンと頭を下げて、1年男子が呟く。
「そうだったんだ……」
全然気づかなかった。
あたしの知らないところで、深町京悟はそんな風に動いてくれてたんだ。
あたしのために……。
――キュン
って、ヤバい。
なんかもう……。
深町って……深町って……。