学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)

「さてと……」



パタンとドアが閉じられたとたん、また深町京悟がこちらに向き直る。



「えっ、続き……するの?」



思わず身構えたあたしを見て、「ブハッ」とふきだす。



「相変わらず、いいリアクションするなぁ」なんて言いながら。



そしてしばらくあたしを見つめてから、優しく微笑む。



「さっき、ここに来る途中、花にあったんだ」



「え? 桂木さんに?」



「ああ。トイレでのこと聞いた。
3年生相手に、啖呵(タンカ)切ったって?
桃ちゃんて、ほんとまっすぐな上に怖いもの知らずだよな」



ってクスクス笑う。



「泣き虫のくせに、気ぃつえーし……。
甘えてきたかと思ったら、逃げてくし……」



うう……。


なんだか欠点ばかり並べられてる気がする。


だけどその通りなだけに、言い返す言葉もない。


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