学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
「ここ」
ニコニコ笑う深町京悟が指差す先を見たあたしの目は点になった。
血の気がひくってこういうことを言うんだと思う。
まさに今あたしの顔は真っ青になっているはず。
「じょ……冗談でしょ?」
「冗談じゃないっつの。
はいはーい、女の子入りまーす」
イヤイヤと首を振るあたし引きずるようにして、深町京悟はその場所に入っていった。
【男子トイレ】
と表示されているその場所に!
中に入ったとたん、数名の男子(用をたしている最中)が一斉にこっちを振り返った。
「いやああああああああッ」
あたしの悲痛な叫びは廊下にまで響き渡っていたらしい。
前言撤回!!
一瞬でも深町京悟をイイヤツなんて思った自分のバカ!!
これは喜劇じゃない。
やっぱり悲劇なのだ。
と、確信した瞬間。
ううっ……。