学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
大声で叫ぶあたしを「うるさい」と迷惑そうに睨む。
「ちょ、何やってんのよ!
せっかく見つけたのに!
鍵、鍵―!」
あたしは立ち上がって窓の下を覗きこむ。
そこには植え込みがあって、ここからじゃ鍵がどこにあるのか見つけられそうになかった。
「べつにいいじゃん。
鍵ぐらい」
と、どうでもいいような口ぶりで、返事が返ってきた。
いやいや、その発想おかしいでしょ?
どこまで無責任なんだ!深町京悟!
「だって、鍵がなかったら、またあたし達つながったまんまなんだよ?」
「あーもう、うるせーな」
よっこいしょ……って、面倒くさそうに彼も立ち上がる。
そしてまた他人事みたいにのんびりした口調で言う。
「鍵なんて、また探せばいいだけじゃん」