学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)
「なにー? せんせー?」
ズルズルとダルそうに歩く足音が背後から近づく。
それがピタッと真横で止まった瞬間
ふわりと漂ってきた香りにあたしの頭は一瞬クラりと揺れた。
この香水……このしゃべり方……そして、この声。
「おっはよー。桃ちゃん♪」
「ひぃ……ッ」
子犬みたいにひとなつっこそうな茶色い目。
その目に顔を覗き込まれ、思わずヘンな叫び声をあげてしまった。
「深町京悟(フカマチ・キョウゴ)、お前も罰ゲームね」
マッキーが、さっきあたしにしたのと同じように、深町京悟の左手首に手錠をかけた。
――カチャン
つまりこの瞬間、あたし達ふたりはひとつの手錠によって完全に繋がれてしまった。