ま・ん・ぱ
「っていうか、ネコとお話しするのはじめてだわ」

「あたしもイヌとははじめて」

「ねえ、早く帰らないとしかられるよ」
「あ、そうね、じゃあ走るから、ネコさんもう にゃ〜っていわないでよ」

「わかったわかった、ごめんにゃさい」

「よ〜い、ワン!」

タタタタタタッと2匹が走りました。

「あたしも走る!」

スターンッと、まみさんも走り出しました。

シュシュシュシュシュッ…まみさんは耳とヒゲで朝のきれいな少し冷たい空気に線をひくように、あっというまに2匹に追い付き、そのまま追い越してゴールの電柱まで行ってしまいました。

「ハァハァハァハァ…ネコって速いのね」

「そうかにゃあ、ちょっとがんばったけど」

と、今度はおうちまで競争することになりました。

「ハァハァハァハァ…お水お水」

「ネコのおかげで早くついたわ」

グルグルグルグル…

「あれ?なんの音?」

ギュルギュルギュル…

「ネコのおなかから聞こえるよ」

「あ!あたし朝ごはん食べてにゃいの」

「あ〜あ、そういえばボクもおなかすいた」

「わたしも…ねえ、ネコってなに食べるの?」

「カリカリご飯とか缶詰とか、おさかにゃ」

「ふ〜ん」

「じゃあイヌはにゃに食べてるの?」

「カリカリご飯とか缶詰とか、お肉とかいろいろ」

「似てるのね」

「似てるね、おいしいの?」

「おいしいよ、でもいつもいっしょだとあきるけど」

「そうよね、あきるよね。なのにジャックったらおんなじでもいい、なんていうのよ」

「ジャック?」

「こいつの名前。わたしはハナ、よろしくね」

「あたしは まみ、よろしく」

「ボク、ジャック!」
「いま紹介したけど」

「あ、なんか機嫌悪い?」
「おなかすいたの!あ、まみもいっしょに食べようよ」

「え?でも〜」

「そうだよ、いっしょに食べようよ」

「いいの?じゃあ…」

と、なぜか仲良くなった3匹はいっしょに朝ごはんを食べることになりました。

そして、おうちのキッチンにあるイヌの食卓へ行きました。

「まだみんな寝てるよ、いまのうちに」

と、ジャックはまみさんにご飯をわけてあげました。
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