暴君とパシリちゃん
うちの学校は、学年ごとにネクタイの色が違う。

薄い赤→三年

薄い青→二年

薄い緑→一年



たちふさがった二人のネクタイの色は薄い赤。


「桜…三年生だよ…」


桜が何かされたら…


怖くて、桜に伝えた。


「ふーん…で!何でしょうか?」


「そんなに怒んないでよ〜」


イラつく桜の肩に手をかける。


「触んないでよ!」


桜の声が大きくなり、昼休みに廊下を通る生徒達が、チラチラと見てくる。


「誰に口聞いてんだよ!」


「ベタベタ触ってくるからでしょ!」


先輩に対しても、バシバシと言う桜に感心しながらも、段々とイライラしてきている先輩が桜に何かしないか、ドキドキしている。


「さっ桜…」


オロオロしていると、先輩が桜を壁に押し付けた。


「そう、怒るなよ。可愛い顔が台無し!」


「離して…」


桜の顔が一瞬不安そうに歪んだ。


「やっ止めてください!」

気付けば、先輩に叫んでいた。


言っちゃったぁぁぁ…
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