暴君とパシリちゃん
校門の前に桜がいた。
門にもたれ、足をブラブラしている。
「さっ…さくらぁ!」
私に気付き、パァッと目が輝いた…ように見えた。
「はぁはぁ…ゴメ…っ…」
そう言った私を無視して、ジーッと見ている。
「はぁはぁ…桜…?」
「髪、ボサボサ…」
「えっ!」
髪を触ると、確かに爆発している。
せっかく頑張ったのに…
「大丈夫!」
パパッと私の身なりを直してくれる。
「ん!直ったよ!」
「ありがとう…」
「頑張ったね!可愛くなったよ!」
桜が優しく笑いかけてくれた。
嬉しくて、恥ずかしくて…
下を向いて笑った。