暴君とパシリちゃん
「磨莉亜?…コレ…」
ハデな人達に囲まれた磨莉亜は凄く苦手で、声をかけにくい。
ブラックコーヒーを渡すと、フワッとした綺麗な笑顔を向けてくれた。
「サンキュッ」
ドキンッ
ダメだ…
やっぱり、好き…
「なぁーに、赤くなってんのよ。ジミ子のくせに」
ボソッと小さく言われた言葉に、すぐに傷つく。
ビビりな上にネガティブ。
みつあみ眼鏡なブス。
うわーっ
ぜんっっっぜん、自分の良い所が浮かばない!
「磨莉亜?これぐらい、言ってくれたら、私が行くのに♪」
フワフワ・クルクルの可愛らしい巻き髪を揺らしながら磨莉亜に言ったのは、同じクラスの
下田結可(しもだゆか)さん
私とは正反対な明るくて綺麗な女の子。
でも…何かにつけ磨莉亜から指名される私に、かなりの苛立ちを募らしているらしく、磨莉亜が見てない・聞いてない所で、小さな嫌がらせをされている。
私も私で、めげないから余計に向こうも苛立つんだろうな…