暴君とパシリちゃん


昼休み。


教室で、桜と食べていると、またまた人だかりが出来る。


「あ…あの…ゆっくり食べたいんだけど…」


「一緒したらダメ?」


「はぁ…」


強引な攻めに疲れてきた。


ため息が漏れた時、ギャハハとバカ笑いが教室に響いた。


視線がそちらに集まる。


いつもの取り巻き達を引き連れて、磨莉亜がやって来た。


人だかりの隙間から、磨莉亜が見えた。


トクンッと鼓動が早くなる。


人だかりに磨莉亜も止まって、小さく首をかしげた。


「今頃、登校?あんたは、社長通り越して、会長か!」


桜が人だかりの中から、飛び出し指差しながら威嚇する。


「学校には来てた。保健室にいた…」


持っていた缶コーヒーをブラブラしながら言った。


「また夜遊び?」


「誘われっからな…」



< 32 / 78 >

この作品をシェア

pagetop