暴君とパシリちゃん
「羽璃は…モテたいの?」
いきなりの質問に、ビックリして視線を上げた。
「え?…」
「モテたいから、桜に頼んで化粧したのか?」
磨莉亜が何が言いたいのかわからなかった。
ブンブンと首を横に降る。
「じゃー、なんでいきなり変わった?」
また下を向いてしまう。
言えない…
磨莉亜に振り向いてほしいから…なんて…まだ言えないよ…
「…羽璃?」
磨莉亜が羽璃の髪に触れようとした時、ガチャガチャと、扉を開けようとする音がした。
羽璃も、顔を上げる。
チッと磨莉亜が舌打ちをした。
窓には、大きな黒い遮光カーテンが着いている。
磨莉亜は、羽璃を引っ張ると、カーテンの中に羽璃を抱いて隠れた。