暴君とパシリちゃん

一時間ほどして、真夏はうっすらと目を覚ました。


ハッとして、ベッドから起き上がると、窓際に港の姿を見つける。


「…港…」


「起きたか?」


ニコリと笑いかけた姿が、えらく色っぽい。


「…ゴメンな…激しくしすぎた…」


そう言いながら真夏に近づいてくる。


言われて先程まで自分達がしていた行為を思い出して、シーツの中を確認した。


乱れていた制服は綺麗に直されている。


「そのままにしとけないだろ?」


ベッド際の丸椅子に腰掛けながら言った。


「ゴメンね…ありがとう」


意識を飛ばしたのは初めてだった。


まさか港に後始末をさせてしまうなんて…


「いや…俺が悪いんだし…」


目を反らした港に真夏は勘違いをして頬を染めた。


自分のことを、港がそんなに求めてきたのだと…


実際は、羽璃の甘い姿を真夏に映して求めてしまった事に罪悪感があったからだった。


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