暴君とパシリちゃん

桜が転校してきてから、教室が更に騒がしくなっていた。


磨莉亜だけの時でも他のクラスから磨莉亜を見に来た生徒は多かった。


そして、桜が来たことで、桜を見に来る生徒が増えた。


当の本人達は、慣れているのか全く気にしていない。


側にいる私だけが、その視線に刺されて痛くなる。


『なんで、お前が！？』

分かってます…。


種族の違う私が、この二人の側にいる事の違和感…


言われなくても自覚してます！


「うーり！」


桜がニッコリと笑いながら、私に抱きつく。


「ご飯行こ！」


お昼休みになり、食堂への誘いが来た。


「うん」


二人で食堂に行くことに。


「今日、何食べる？」


「んー…」


「桜子ちゃん！」


廊下を歩いていると、二人組の男の子が前をふさいできた。


桜の顔がいきなり不機嫌になる。


「あんた達、誰？」


嫌そうに睨み付けている。