*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



「電話とれなくてごめんね! 宿題たくさん出て疲れて寝てた!」


翌日の夜。久しぶりに和人と電話で話した。私の空元気が見抜かれてないかドキドキ。普通に話せてるよね? 大丈夫だよね?


『日曜日、何時ぐらいに帰ってこられるの?』

「え?」

『少しでもいいから会えないかな。迎えに行くから、車の中で10分でもいいから会いたい』



……ああ、もう。
ダメだ。


「うん……私も会いたい」


泣くの我慢していたのに、和人の一言で簡単に泣いちゃう。


日曜日。私は朝から、和人のマンションに向かった。出迎えてくれた和人は、私の早朝からの訪問に驚いていた。


「親戚の家はよかったの?」

「…………」


何も言えなくて、首を横にふって、抱きついた。どうしよう。やっぱり和人の顔を見たら、泣いちゃう。


「……準備するから待ってて。出かけよう。それまでに泣き止める?」

「うん……」


優しく頭を撫でてくれて、涙の理由も聞いてこなかった。


きっと私が嘘をついていたこと、気付いたよね。それなのに何も聞かないでくれた。グッと涙をふいて、深呼吸した。



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