*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「藍が俺に相談せずに、一人で何もかも決めたのは、俺が頼りなかったからなんだよ……」
「頼りないなんてことない! 和人は大人だし、私は一番に頼りにしてる」
「サクラが思ってるほど、俺は大人じゃないよ。自分が大人になったと実感する時は、いつなのかなって思うし」
なんとなく和人の言ってる意味が分かった。
私も小学生の時は、高校生がめちゃくちゃ大人に見えたけど。実際、自分が高校生になったら、全然大人じゃないんだもん。
きっと私が二十歳になって、成人しても同じ気持ちなんだろうな。
「サクラの前では、頑張ってそう見せてるだけかも。見せてるだけじゃなくて、そうなるように努力するから」
信号が赤になって、車は停車。和人の指が、優しく私の頬を触れる。
「もし、俺たちに子供ができても、サクラは黙って一人で病院には行かないで。俺にきちんと話してほしい」
ずっと、ずっとこの間から考えていた……。
私が藍ちゃんの立場だったらどうしてたか。
その答えが……和人の今の言葉で、見えた気がした。
私は小さく頷いて、和人の肩に寄り添った。初ドライブがスノーと三人でよかった。
私たちの未来が、見えた気がしたの。