*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
目的地の猫カフェに到着。慣れない車から解放されたスノーは、カフェの中で、ぐったり座り込んでいた。
猫カフェオーナーのふくよかなおばさんは、スノーを見て笑顔で声をかけてくる。
「かわいい黒猫ちゃんね。お名前は?」
「スノーです」
「スノー!? 黒猫なのに珍しいわね」
スノーの名前の由来にもなった、雪の日に出会った話をすると、感動して目をキラキラと輝かせていた。
私たちはオススメのケーキセットを注文。スノーにも、猫用プレートを注文してあげた。運ばれてきた料理を見て釘付けになる私。
「これ人間も食べられるかな? 美味しそう」
「猫ちゃん用だから、塩分ゼロだけど。食べられないことはないわよ」
店員さんに言われて、恐る恐る口に入れてみたけどやっぱり味はしなかった。
「キャットフードよりはマシかも。和人も食べる?」
「は? キャットフード食べたことあるの?」
「うん。あまりにスノーが美味しそうに食べてるから、どんな味がするか食べてみたら激マズだった!」
……………………。
「マジで勘弁してっ」
和人は私の言葉を聞いて、大爆笑。スノーはぐったりしていたのに、いつもと違うご飯を目の前にして、パクパクと食べだす。