*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「で?」
「……手作りの子のチョコはその場で一口食べて、“ありがとう”って言ってくれる優しい先生がいたという思い出」
怒った? やきもち?
嬉しいけど、私は和人の今までのバレンタインの思い出なんて聞きたくないし、言わなきゃよかった。
「ふーん。手作りは俺が初めてじゃないんだ」
「彼氏にあげるのは初めてだよ! ごめん。余計なこと言って」
2日遅れとはいえ、せっかくの初バレンタインなのに私のバカ。
「別に怒ってないよ。過去のことなんだし。現在進行形で、今も先生が好きっていうなら別だけど」
「そんなわけないじゃん」
和人しか見えてない私が、他の人を想ってるわけないじゃない。
甘いチョコにはブラックコーヒーだよね。カップをテーブルに置くと、和人から大きな紙袋を渡される。
「食べていいよ。会社でもらったチョコ」
「へ?」
ずっしり重たい紙袋の中には、大量のチョコ。