*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



そして、翌日。バイト初日。


不安もあったけどアットホームな職場。みんな優しい。夕方の時間帯だったから、お客さんも少なくて丁寧に仕事を教えてもらえた。


……けど。


「美山、倉庫からアイスコーヒーの豆補充しといてくれない?」

「はーい」


仕事を教えてくれるのは同い年の涼くん。明るい栗色の髪に、頭のてっぺんをツンツン立てたオシャレ男子。


このリョウくんだけ、私を名字で呼び捨てなんだよ。


他のみんなは“サクラちゃん”って、フレンドリーなのに。いや、逆に“サクラ”って、名前を呼び捨てにされるよりマシ?


「真央ちゃんはお金が合ったら、日計表書いて」


同じ日にバイトに入った真央には、“真央ちゃん”ってなんなの! この差は!?

私、なんかしたかな。いや、真央ってスレンダーのくせに胸大きいし。顔立ちもはっきりして、かわいいから惚れちゃった?


でも、真央が気に入った男の人はリョウくんじゃないんだよね。

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