*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「お腹すいた。真央、なんか食べて帰ろ」
更衣室で着替えている時、真央はニコニコしながら耳打ちしてきた。
「渕脇さんに一緒に帰ろうって誘われた」
「まじで!? 展開早いけど、よかったじゃん!!」
大学生の渕脇さん。長身で、端正な顔立ち。落ち着いた大人な雰囲気で、真央の気になってた人。
やっぱりいいな。親友の恋が順調だと、私まで嬉しくなる。
タイムカードを押して、真っ暗な外に出ると、渕脇さんと自転車の鍵を開けているリョウくんがいた。
「真央ちゃん、帰ろう。サクラちゃんも暗くて危ないから送るよ」
「いえ! 私は彼氏が迎えに来るので!!」
来ないけど。彼氏がいますアピールをきちんとしておく私。
真央は“ありがとう”と、小さな声で呟くと、渕脇さんの車に乗って帰って行った。
うまくいくといいな。夜、電話してどうだったか聞かなくちゃ。