*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜


リョウくんは大きくため息をつく。あ、やっぱり真央のこと気になってたのかな。


「リョウくん、またね」

「ああ、お疲れ」


リョウくんと別れて、駅まで歩いて行くと、後ろから自転車に乗ったリョウくんに追い越されて声をかけられる。


「彼氏が迎えに来るんじゃねーの?」

「ああ……渕脇さんの好意を断るための嘘。でも、彼氏がいるのは本当だよ」

「んだよ。駅まで送るから乗れよ」


へ? 二人乗り!?


「あ、ありがとう。でもいいよ。彼氏が見たら、いい気はしないし」

「バーカ! こんな暗い道を一人で歩かせるより、チャリで送られるほうがいいって言うに決まってるじゃん」


……そうかな。確かに駅まで人通りが少ないし。ちょっと怖いかも。


「俺の気が変わらないうちに、早く乗れって」


な、なんだよ。超俺様!! ムッとしたけど、夜道はやっぱり不安で……乗せてもらった。



< 139 / 472 >

この作品をシェア

pagetop