*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



初めて男の子と自転車に二人乗りしたかも。涼しい風が、顔を霞める。


「チビのくせに重てぇ」

「は!? むかつく! やっぱり降りる!!」

「冗談だよ。いちいち反応して超単純」


そう言ってリョウくんは、クスクスと笑う。


和人といいリョウくんといい。私ってからかわれて、笑われてばっかりだ。反応するからいじられるのかな。


頭の中でそんなことを考えていると、駅に到着。自転車から降りて、リョウくんにお礼を言う。


「送ってくれて、ありがとう。気を付けてね」

「そっちこそ。じゃあな」


リョウくんに手をふって見送ると、自転車は来た道を戻っていく。


「え? 同じ方向じゃなかったの!?」


わざわざ私を駅まで送り届けるために……。もう少しきちんとお礼を言えばよかった。口はちょっと悪いけど、リョウくんはいい人なんだ。



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