*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
知らん顔ですか!? 頭にきて、厨房に戻ろうとしたら、腕を掴まれて引き戻される。
「バイト先ここだったんだ。偶然。制服かわいいね。似合ってるよ」
わわわわ……私の妄想がリアルに! いや、妄想より甘い言葉にドキドキする。
「よくこのお店には来るの?」
「初めてだよ。サクラのバイト先なら、これからは利用しようかな」
偶然の出会いに、和人は嬉しそうに笑う。そんな姿を見て、私の機嫌も一発でなおる。
「彼女のサクラ。で、同じ部署の木下さん」
「あっ、す、すみません! いつも上田さんには、ご迷惑をかけて、お世話になってるんです!」
ゆるふわボブのたれ目。おっとりした感じの木下さんとやらは、いきなり立ち上がって、年下の私に深く頭を下げてくる。やっぱり例の新人さんだ。
「こんにちは。和人厳しくないですか?」
「全然! 優しいですっ!」
「お仕事、頑張ってくださいね」
にっこり笑って会釈して、厨房に戻る。年下のくせにちょっと上から目線で挨拶しちゃったかも?
和人がきちんと彼女だって紹介してくれたことが嬉しくて、舞い上がっちゃった。
ふふ。リョウくんが寝坊してきてくれたおかげで、和人に会えた。リョウくん、ありがとう♪