*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
ランチタイムでバタバタと店内を駆け回っていると、一人のお客さんが入ってくる。それは私のずっと会いたかった……。
「和人!」
「いてよかった。何時のシフトか聞いてなかったから、サクラがいるか心配だったんだけど」
走ってきたのか、息をきらして汗までかいてる。
「今日、合鍵出来たから。昼休みの合間に持ってきた。昼間も自由にスノーに会いに行っていいよ」
「ええ! ありがとう!!」
わざわざ合鍵を渡しに来てくれたんだ。日曜日でもよかったのに……。嬉しい!
「じゃ、行くね」
「うん! お仕事頑張ってね」
私の頭をポンっと撫でて、和人は店から出ていった。
な、涙が出そう。
私が何も言わなくても、寂しがってること、和人は気付いてるんだよね。
大切な鍵を握り締めて、ポケットに入れた。