*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「一人で初めてつくった書類を、朝イチに郵送しなくちゃいけなくて。でも、どうしても確認したいことがあって、上田さんに電話したら夜にはかけないでくれって言われて……」
あの時の電話だ。私が怒って、電話を切った時。
「あなたが上田さんに言わせたんじゃないんですか? 確認さえ取れれば、あんな大事にはならなかったのに!」
「……私のせいにしないでよ」
私……のせいに、よくできるよ。自分のミスのくせに。
あまりに頭に血がのぼって、手が震えてくる。
「人のせいにするのは勝手だけど……私たちの邪魔だけはしないで」
もうマンションに入ろう。そう思った瞬間……。
木下さんの口から、信じられない言葉を告げられる。
「私、さっき上田さんからキスされたんです」