*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「車で送るから。早くコート着て」
やだ……ちょっとは、私のこと女として見てよ……。
「……キスして」
「え?」
「キスしてくれたら帰る」
俯いたまま、込み上げてくる涙を我慢して必死で絞りだした言葉。
意識してほしくて。
少しでも女として見てほしかったのに。
「簡単にそんなこと口にするもんじゃないよ」
そう言って私の肩にコートをかけた。
勇気を出した言葉さえ簡単にスルーされる。全然、動揺しないし、本当に私のこと女として見てくれてないんだね。