*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



和人の腕を無造作に取り、窓際に座っているスノーに近づく。


「……連れて帰りたいけど、ごめんね。元気でね」



スノーは大きな目で私を見てくる。この状況が分かってるのかな。行かないでって目をしてるみたい。


「……花火は? 旅行は? 将来……スノーと赤ちゃんと四人でいつか暮らそうって夢は? サクラがいなきゃ叶えられない……」


言葉を絞り出すように、必死に私をひき止めようとする和人。私は涙を流してる和人から目を反らした。


私だって……全部、叶えたかったよ。


フラフラになりながら玄関に向かう。壁にぶつかってよろけた私を、後ろから支えてくれた。


「俺、待ってるから。サクラが許せる時がきたら連絡して。仕事中でも、サクラに会いに行くから」

「……合鍵返す。木下さんにあげれば」

「サクラ以外にあげる人なんていない。疑われるようなことも、サクラを傷つけることも二度としないから。だから……」


鍵は受け取ってもらえなくて、チャリンっと音をたてて床に落ちた。


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