*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



真っ暗な道を走って走って。コンビニの前で、自転車をとめているリョウくんの後ろ姿が視界に入る。


「リョウくんっ……」

「え、美山? ちょっと!」


思わずリョウくんの腕にしがみついた。涙がポロポロと溢れる。


「彼氏とは会えなかったのかよ?」

「うっ……」


なんで和人……追いかけて来てくれないの?


悲しくて、悔しくて。一生懸命作ったムースの入った紙袋を、ギュッと握った。


「……なんで泣いてんだよ?」



今日はリョウくんに泣いてるところばかり見られてる……。リョウくんが私の涙を、手で拭おうとしてくれた瞬間。


後ろから、ギュッと体を包み込まれた。



「サクラ……せっかく来てくれたのに、嫌なもの見せてごめん……」



息をきらして、走って来てくれた和人だった。



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