*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「木下さんは帰らせたから戻ろう。きちんと、説明するから」
「美山、送るから乗れよ」
え?
私は和人にもリョウくんにも挟まれて、身動きが取れなかった。怪訝そうな顔で、和人はリョウくんを見る。
「なんでリョウくんがここにいるわけ?」
「美山をマンションに送り届けただけよ。事情はよく分かんねーけど、泣かせすぎじゃねーの?」
「リョウくん……?」
リョウくんが和人に対してなんでキレてるか、私には分からなくてポカンとしてしまった。
「帰らせたって、そんな女なんかほっといて、まずは美山を追いかけるべきだろ。どっちが大事なんだよ?」
あ……。
すぐに追いかけて来てくれなかったのは、木下さんを帰らせるため……。
リョウくんの言うとおり、木下さんなんてほっといて追いかけてきてほしかった……。和人は優しいから、泣いてる木下さんをほっとけなかった?
そんな和人の優しいところに惹かれた。惹かれたけど……和人の中での優先順位は、一番でいたかった。
「君には関係ないから。サクラ、行こう」
「どっちでもいいけど。美山が選べよ」