*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「あんな奴、忘れてさ。俺にしとけば?」
「やだ……」
「美山になら、俺は都合のいいように利用されてもいいよ」
「そんな、最低な女になりたくないっ……」
涙で前が見えない……。リョウくんは私の言葉を聞いて、プッと吹き出して笑った。
「だよな。俺は一途な美山のことを好きになったんだから」
リョウくんの告白は、本気なのか、同情なのか分からない。
こんなタイミングで言われても、何も考えられなかった。
「リョウくん、公園行こう」
二人で夜の公園のベンチに腰かけて、ムースを食べた。
本当なら和人と食べるはずだったムース……。涙でしょっぱくて、全然甘くない……。
「リョウくんが作ってくれたムースみたいに美味しくない……」
「美味しいよ。泣いてるから、まずいんだよ」
泣きながら食べる私を見て、リョウくんは空を仰ぐ。
「悔しいけど、その涙を止めるのは……今の俺じゃ、出来ないんだよな……」