*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「あれ?」
私の視界に突如現れた黒い物体。
白い地面の上を黒い仔猫が佇んでいて、思わず駆け寄る。
「……飼い猫?」
首輪はしていない。辺りを見渡すと、電信柱の下に段ボール箱が置かれていた。
「捨て猫だ」
傘を閉じて、小さな身体の仔猫を抱き上げる。小刻みに震える仔猫を見て、私は下唇を噛んだ。
どうしよう……。
うちは市営住宅だからペットは飼えない。
だけどこんな大雪の中置いていったら、絶対に凍え死んじゃう。
容赦なく空から冷たい雪が落ちてきて、私も仔猫も真っ白に染められていく。
「どうしたの?」