*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
その場に立ち尽くして、私は一歩も動けなかった。
早く泣き止んで和人のところに行かなきゃ。
涙を手で拭いていると、後ろから優しく両腕で体を包み込まれる。
「……和人、今の見てた?」
「うん……でも殴って引き離せる関係にまだ戻ってないから」
え?
体を正面に向かされると、目の前に差し出された鍵。
和人にもらって、私が返した合鍵。
あの日のまま、キーケースにつながれたままだった。
「サクラの彼氏に、戻っていい?」
彼氏……私の……。
改めて言葉にしたら嬉しくて涙がさらに溢れてくる。
「うん……私も和人の彼女に戻りたい……!」
ソッと鍵に手を添えた瞬間……。
辺り一面パアッと明るくなる。
空を見上げると、大きな大きな花火が夜空に、綺麗に咲いた。